パーソナルカラーとブルべマウントと自分の好みの話
パーソナルカラー。
この言葉と概念が世の中に知れ渡ってそれなりに経つので、少なくとも一定以下の年齢の女性なら、聞いたことくらいはある人のほうが多いのではなかろうか。
今回はこのパーソナルカラーというものについて、わたしの個人的な考えなどを書き連ねてみることにする。
※途中、不適切な表現が出てくる可能性があります。また通信講座「ユーキャン」を貶す部分があります。お読みになる場合、ご理解の上、自己責任でよろしくお願いします。
そもそもパーソナルカラーって何?
パーソナルカラーとは、即ち各個人が生まれつき持つ色の性質のことで、イエローベース(イエベ)とブルーベース(ブルべ)に分かれる。
さらにイエローベースとブルーベースをそれぞれ2つの「季節」に分ける。イエベなら春と秋、ブルべなら夏と冬。
これをパーソナルシーズンカラーと呼ぶ。
一般的にはパーソナルシーズンカラーのことを「パーソナルカラー」と呼んでおり、「イエベ春」とか「ブルべ夏」とか言ってるのはつまりこのことだ。
パーソナルシーズンカラーは、各々の最初に持って生まれた肌や髪・瞳の色で診断する。要するに、染めたり日焼けしたりカラコンしたりしてない状態の色である。
ぶっちゃけ正確な自己診断は難しいので、専門家にやってもらうのがオススメ。
ブルべマウントの女
諸君の周囲にはいないだろうか。
「わたしブルべだからぁ~」と謎の自虐風自慢をぶつけてくるウザい女が。
そう、ブルべマウントの女だ。
嘘か真か、かつてとある女性向け雑誌が、「イエベさんは黄味よりの肌」「ブルべさんは綺麗な白肌」みたいなことを書いたらしい。浅はかで罪作りだが、まあメディアとはそうしたもの。
しかしそれが悲劇を生んだ。
大量の勘違い女を生み出したのである。
もともと現在、美の価値観は「肌が白くてきめ細やかなこと」と決めつけられている節があり、女たちはそんな価値観を刷り込まれて生きてきた。
そこに「ブルべさんは白肌」の一言。
「綺麗になりたい」はいつしか「ブルべこそが綺麗」にすり替わり、「肌は白くなきゃ!あっわたし肌白い!(思い込み含む)じゃあきっとブルべよね!」と究極進化を遂げ、ついには「日本人は黄色人種だからイエベが多い。ブルべのわたしは希少価値」にまで達した。
(黄色人種どうのこうのは、もしかしたら雑誌に書いてあった可能性もあるけど)
こうして出来上がったブルべマウントの女は、他者をイエベと決めつけて「わたしブルべだから化粧品で肌の色に合うのが見つからなくてぇ~、良いよねみんなは、イエベで」などと言ったりする。
でも、マウントを取られても、決してモヤる必要はない。
何故なら、日本人のパーソナルシーズンカラーで1番多いのは、ブルべ夏だからだ。
イエベ春が1番多い説もあるが、ともかく1番目か2番目がブルべ夏。つまり、マウントを取られた側も、全員ブルべかもしれない。
日本人のパーソナルシーズンカラーは、大体こんな感じ。
ブルべ夏(イエベ春の場合あり)>イエベ春>>>>>イエベ秋>>>ブルべ冬
ザックリ言うと、大概の人はブルべ夏かイエベ春に分類され、イエベ秋は少なめ、ブルべ冬はほんとに少ない。
この時点で、「ブルべ」のみでマウントを取ることの愚かしさはお分かり頂けたと思う。
まあ、そうは言っても若干知恵をつけたブルべマウントの女は、己を「ブルべ冬」と自称してくる。原因は、「ブルべ冬さんは透き通るような白肌」「原色を使ったキリッとしたモード系ファッションが似合う」とあちこちに書かれていること。
「肌が白くてオシャレさんなわたし」をアピールしたいのだ。
こういう奴は9割9分9厘の確率で自己診断のため気にしなくても良いのだけど、やはり同じ女として、自称「ブルべ冬」にうんざりさせられてしまう人もいるだろう。
そんなあなたに、心の安寧を保つ魔法の言葉を授けたい。
松崎しげるさんはブルべ冬。
以上、ぜひ心に留めておいて頂きたい。
ブルべになりたい気持ち
とは言いつつ、マウントを取って他者を不愉快にさせるのは愚考としても、ブルべになりたい気持ちも分からなくはない。
わたしはかつて、「ユーキャン」の「カラーコーディネート講座」を受講していた。大した理由はない。別の資格試験の勉強をしたいと思い立ったものの、机で勉強する習慣がすっかり抜けていたので、勉強習慣を戻すのに利用した。色の勉強には興味もあったし。
さて、上記の講座の特典として、自己診断と写真を送るとプロがパーソナルシーズンカラーを診断してくれるよ!というのがある。わたしも送った(特典も料金の内。やらないともったいない)。
送ったとき、わたしに「ブルべ」と診断されたい気持ちが無かったと言えば、嘘になる。
原因は分かり切っている。
第一に、自分が地黒だと自覚しているから。わたしは父方の遺伝で、肌の色が地黒。一方、母は白肌、弟も母方の遺伝で白肌。同居する母方の祖母はまさに透き通るかの如き白肌。挙句、残念ながら絶妙にデリカシーのない祖母に、「ママは肌が白いねぇ。あなたは黒いねぇ」と何度か言われてきた。
おかげさまで、わたしは肌の色にコンプレックスを持っている。受講当時、イエベにも綺麗な白い肌の人は沢山いると知らなかったわたしは、テキストに「白肌」と書かれているブルべになりたかったのだ。
第二に、わたしの好きな色が青だから。テキスト曰く、青が似合うのはブルべ。イエベは微妙。イエベ秋に至っては青は似合わないそうな。
自分の好きな色を似合わないと言われたら、良い気はしない。故に、ブルべの診断を求めた。
結論として、わたしの診断結果は「イエベ秋」と返ってきた。
がっかりと同時に驚愕した。1番あり得ないと思っていたのだ。
この「あり得ない」の根底に、ユーキャンのテキストの罪がある。
イエベ秋のページには、要約すると「深い赤や黄、アースカラー系がよく似合う」的なことが書かれていた。
にも関わらず、わたしの人生で、アースカラー系がマトモに似合った覚えはない。他の項目を読んでも、「イエベ秋」と診断されて納得のいく要素はほぼなかった。
文字数やページ数の関係でか、あのテキストには断片的な情報しか書かれていなかったのが、わたしの納得を阻害した大きな原因と言える。
最終的に母にも共にテキストを読んでもらい、「ブルべ夏っぽい」とのお言葉を頂戴したわたしは、それを有難く信じると決めたのであった。
自分の好きな色を大切に
診断以降もわたしは、青や紫の服を買っている。緑は買っても、赤や黄色には手を出さない。
結局は診断の「似合う/似合わない色」に振り回されず、自分の着たい服を着るのが1番幸せだと、今のわたしは信じている。
わたしの信じたいブルべでも、診断結果のイエベでも、構わない。どうでも良い。
この極地に辿り着けて、本当に良かった。わたしは今後も、自分の着たい服を着て、それをかわいいと言ってくれる人と、仲良くしていきたいと思う。
オマケ ガチの透き通る白肌は不健康に見える
古くは白雪姫の「雪のように白い肌」にも通ずる、「透き通るような白肌」。
憧れる女性は多い。
ここであえて、憧れを潰させて頂く。
ガチの「透き通るような白肌」は、肌が薄くて脆いし、血管が浮けば青白く、不健康に見えるぞ。
母方の祖母は、肌が雪みたいに白い。
でも美しさの分、肌が非常に薄くて破れやすい。過去2回、肌が破れて出血してぶっ倒れ、入院した。
こうなるとさすがに、1ミクロンもうらやましくない。
祖母の苦労が、誰かの目を覚ますお役に立てば、幸い至極。