お薬手帳の話
薬局で薬を出してもらうとき、お薬手帳を出せば、少し値段が安くなる可能性がある。
そんな風に制度が変わったにも関わらず、お薬手帳を持ち歩かない人は非常に多く、薬剤師の皆様方が頭を抱えている。
安くなる金額は1回10～30円くらいなので、「たかがその程度なら別に…」と考えている人が多いのかもしれないが、ぶっちゃけそういうことではない。
そもそも何故薬剤師の皆様方は、患者にお薬手帳を持参して欲しいのか。
お薬手帳というものの役割と共に、解説していこうと思う。
お薬手帳ってどんなもの？安くなる条件とは？
お薬手帳とは、端的に言えば、自分の服用している薬が載っている手帳のことだ。
薬局で処方箋を渡すとき、一緒にお薬手帳を出した経験のある人は、ぜひ自分の手帳を確認してみて欲しい。シール等の形で、そのときに出された薬の情報が載っているだろう。
薬には飲み合わせや副作用など、素人には分からない難しい問題がいろいろある。大変な事態を起こさないために、薬剤師さんは、該当患者が現在服用している薬を確認しておきたい。
問診票などで「今使っているお薬はありますか？」の項目があるのも、こういう理由である。
その確認をより簡単に、そして正確に行う目的で、お薬手帳が存在する。
お薬手帳を出して値段が安くなるかもしれないのは、薬剤服用歴管理指導料なる料金の仕組みによる。
まあ残念ながら一概に安くなる訳ではなく、手帳持参で過去6か月以内に同じ薬局で薬を処方してもらった場合に限られる。ただし、病院は違っても問題ない。薬局さえ同じであれば。
要するに、頻繁に通院し薬をもらっている人は値引きしてもらえる可能性が高いので、そういう人程、ぜひお薬手帳を持参して欲しい。
問診票に書いてるのにお薬手帳が必要なの？
前述の通り、問診票などでも、服用中の薬については聞かれる。
「そこに書いてるんだからお薬手帳いらなくない？」と首を傾げたあなた。
あなたは、自分の服用している薬を全て、正式名称で暗唱できるか？
「言える！」と自信満々に返事できる人のほうが少ないと思う。
仮に処方薬は言えたとして、では市販薬は飲んでいないか？目薬は使ってない？湿布は？
全部、言えますか？
処方薬も市販薬も、目薬も湿布も、全部薬。
もう1回言う。
全部、薬。
薬である以上、相性もあるし、副作用もある。
世の中、目薬や湿布には副作用が無いとお考えの人が結構いるらしい。酷いケースだと、市販薬にも副作用が無いと信じている人がいるそうな。無い訳ねぇだろ、薬だぞ？？？
1つ残らず正式名称で暗唱できる猛者以外は、お薬手帳、必要です。持って行け。
実はサプリメントも…
これは案外盲点なんだけど、サプリメントにも飲み合わせが存在する。
今はあれこれと様々なサプリメントが存在し、何種類も飲んでいる人も少なからず。わたしもそう。
サプリの中には、薬との飲み合わせが悪いものもある。つまり効果が無いどころか、悪影響が出るかもしれない。
なので、飲んでいるサプリがあれば、全部お薬手帳に書いておこう。
あと、通院・服薬中で新しくサプリを始めたくなったら、医師や薬剤師に相談して、OKが出てからのスタートをオススメする。
